
講師紹介
ジョルジョチーニ財団でバロック音楽とベルカント史を学ぶ。慶応義塾外国語学校、玉川大学、ワシントンDCカーザイタリアーナでイタリア語やオペラ文化を教える。
皆さん、こんにちは! ニコラス・デッサルドと申します。私は、アドリア海の北部に面した海辺の町トリエステの出身です。トリエステは、イタロ・ズヴェーヴォ、ウンベルト・サバ、クラウディオ・マグリスといった作家や詩人を輩出した町でもあります。
私が専門的にオペラに関わるようになったのは、こうした文学者たちの研究から始まった文学的背景の延長線上にあります。イタリアや海外の古典文学へと進んでいく中で、ある意味「逆行的な」学びの道をたどってきたとも言えるかもしれません。
オペラへの情熱の原点に立ち返るとすれば、それは子どもの頃に両親に連れられて、地元トリエステのジュゼッペ・ヴェルディ劇場で何度もオペラを観た体験にあると思います。あの頃も今も、観賞としても研究としても、オペラに触れるたびに歌手たちの声の表現力に心を奪われます。
私にとってオペラを観て分析するということは、人間の感情、すなわち愛、憎しみ、恐れ、復讐、希望、そしてもちろん、喜びや幸福が主役となる魔法の世界に飛び込むようなものです。こうした魅惑的な感情を分かち合い、オペラとは何かを一緒に探っていくこと。それが、これまでもこれからも私のレッスンの中心であり続けます。
オペラ作品に盛り込まれた魅惑的な感情を皆さんと分かち合い、オペラとは何かを一緒に探っていきたいです。授業でお会いしましょう!